事例紹介
どらたんを活用されている事例をご紹介します。
山室エキスプレス様
どらたんユーザー
株式会社山室エキスプレス
山室 博志 様
株式会社山室エキスプレス(以下、山室エキスプレス)は、富山県氷見市の軽貨物運送事業者です。お客様の依頼に応じて、軽貨物車両最大積載量350kg(軽バン、軽トラック冷蔵・冷凍車)を利用した運送・配送事業を営んでいます。現在は電子部品、食品・飲料系の貨物の取り扱いが多いそうです。
軽貨物運送事業は、2025年4月の法改正によって安全対策を強化しています。そのような背景も含め、「どらたん」を導入した経緯やメリットについてお伺いしました。
山室エキスプレスでは、「どらたん」を2019年12月から導入しています。「どらたん」を選んだ経緯をお伺いしました。(以下、敬称略。聞き手:NX総研・菅)
- 総研
- 貴社の事業の概要をお教えください。
- 山室エキスプレス
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当社は、株式会社山室エキスプレスとして事業を営んでおりますが、社員は代表取締役の私と事務担当1名(アルバイト)の2名です。荷主様からの運送・配送依頼に対しては、個人事業主として軽貨物運送業を行なっているパートナードライバー(委託契約を結んだドライバー4~5名)と私とで運送・配送にあたっています。
荷主様には、製造業者様と直接運送契約を結びご依頼をいただいているケースと、運送事業者様から再委託としてご依頼いただくケースがあります。
ご依頼の形態には、毎日決まったルートの配送を一定期間行う定期配送と、臨時・緊急的なスポット配送とがあります。それぞれの案件を自社とパートナードライバーへの再委託とで対応しています。現在、定期のルート配送としていただいている案件の一つは、大手食品メーカー様からのご依頼で、パンやおにぎり・弁当、アイスなど冷蔵・冷凍の日配品を富山県内のスーパーやコンビニなどの店舗へ冷凍・冷蔵車で配送しています。
また、スポット配送では、大手電子部品メーカー様からのご依頼で、北陸近隣の事業所間の配送から、富山・石川から関西方面などへの長距離の配送も多くご依頼いただいています。軽貨物運送事業者の多くは、個人で届出を行い黒ナンバーを取得した個人事業主ですが、協同組合や大手事業者のネットワークの傘下に入る場合もあれば、複数人でグループになって仕事を回している場合などもあります。私ももともとは大手ネットワーク事業者に所属する個人事業主でしたが、あるきっかけがあり独立し、その後法人化しました。
法人化したきっかけは、以前から多く配送依頼いただいていた荷主様が大手の製造会社であり、取引の重要性や取引額などから、法人化し、きっちりと取引していく必要性を感じたからです。
法人化にあたっては、会計事務所と契約を結びお手伝いいただきました。その後も契約を継続して財務処理をはじめとする経営支援をいただいています。会社のホームページも立ち上げました。会社の事業紹介の他、運賃も掲載しています。このホームページ立ち上げは、「中小企業リバイバル補助金制度」の補助金をホームページ制作費として活用しました。この制度は、新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した事業者を支援する制度で、この補助金を活用できたのは幸運でした。
先ほど紹介しました大手食品メーカーとの取引も、そのホームページを見てご依頼いただいたものです。
事業運営するにあたって、顧客から信頼を得られるよう、法令やコンプライアンスを遵守することの必要性を感じています。その手段の一つとして導入させていただいたのが「どらたん」です。写真2:㈱山室エキスプレスホームページ
- 総研
- 「どらたん」を知ったきっかけは?
- 山室エキスプレス
- インターネット上で、「運行管理」「運転日報」などのキーワードで検索したときに「どらたん」を見つけました。
日々の運行管理に手書きの日報では、手間がかかり管理が大変なこと、運転時間や拘束時間の把握が難しいことから、「どらたん」を使って把握したいと考えました。 - 総研
- 「どらたん」を導入した理由は? 他社のサービスとの比較はありましたか?
- 山室エキスプレス
- 運行記録の作成、保管が求められている中、運送会社のトラックなどでは、デジタルタコグラフの装着が義務付けられデジタル管理されていますが、軽貨物事業者が個人でそのような設備を設置管理するのはコスト的にも無理があります。「どらたん」は、なにより料金が安価であることが魅力的でした。
他社との比較はあまりしていません。2週間の無料トライアルで使ってみて、当社が必要な機能として充分であり、料金も安価であることから導入を決定しました。 - 総研
- 「どらたん」を使ってみて良かった点は?
- 山室エキスプレス
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会社としての法令とコンプライアンスの遵守のために、「どらたん」による日々の運行管理が役立っています。そしてそれが取引先や顧客からの信用につながっていることです。
当社は軽貨物運送業ですが、一般の貨物運送業と比較してもサービスの品質に遜色がなく、コンプライアンスを遵守し、会社の信用も高めたいと考えています。
「どらたん」で運行の実績を記録しておけば、パートナードライバーも含めた日々の運転時間や拘束時間などの労働時間も管理できますし、何かあったときには関係する機関へいつでも提示することができます。パートナードライバーについても、「どらたん」を利用することで、運行管理をきちんと行うことへの意識の強化につながったと思います。
また、2025年4月から軽貨物運送事業の法律が改正され、安全対策が強化されました※。具体的には、これまでの点呼の実施や労働時間の順守、運転者に対する指導及び監督に加え、貨物軽自動車安全管理者の選任と講習受講の義務化、業務記録や事故記録の作成・保存、国土交通大臣への事故報告などが義務化されています。
「業務記録」や「点呼記録簿」の作成・保存が軽貨物運送事業にも義務化されましたが、個人事業主の多くは、なかなかきちんと日々の運行実績の管理ができていないのが現実だと思います。当社では「どらたん」をパートナードライバー分を含め7名の利用人数で契約をしています。ドライバーには当社の仕事をする場合には「どらたん」を使って運行の記録をしてもらい、ドライバーが必要とする場合に運転日報を出力して渡しています。
また、「どらたん」によって、ドライバーの稼働状況と位置情報をみることができますので、依頼した配送業務がどの状況か、作業中か運転中か、何時ごろ帰ってこられるか、もう一件配送にいけそうなのか等、いつでも把握することができますので配車の管理にも役立っています。※近年、宅配便の取扱個数が増加しており、物流センターや小売店を介して消費者に荷物を運ぶ手段として、軽自動車による運送需要が拡大している一方、平成28年から令和5年にかけて、保有台数1万台当たりの事業用軽自動車の死亡・重傷事故件数は、約4割増加しています。
上記を踏まえ、国土交通省では、貨物軽自動車運送事業における安全対策を令和7年4月より強化しています。
参考:国土交通省「貨物軽自動車運送事業における安全対策を強化するための制度改正について」 - 総研
- 今後「どらたん」に期待することはありますか?
- 山室エキスプレス
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「どらたん」の導入によって、運行実績や運転日報を電子化することができましたが、「どらたん」に点呼記録簿を作成する機能も加えてほしいです。
軽貨物運送業は、一般の貨物運送業と同様に、一日の運行の乗務前と乗務後の1日2回の点呼を行うことが義務付けられています※。また、点呼の内容を日々点呼記録簿に記録したうえで1年間保存しなければいけません。
軽貨物運送業は、一般の貨物運送業が行っている車両点検簿の作成までは義務付けられていませんが、点呼記録簿の作成は義務となっています。
点呼記録簿には、酒気帯びの有無、疾病・疲労・睡眠不足等の状況、日常点検の状況の他、実施日時、点呼方法、点呼執行者、アルコール検知器の仕様の有無など、詳細な項目を点呼記録簿に記録する必要があります。
現在の「どらたん」で点呼を行った実績は管理できますが、点呼記録簿に求められている項目の記録はできません。「どらたん」の一連の入力の中で点呼項目を入力することで、連動して点呼記録簿の作成が可能になると便利です。※貨物軽自動車運送事業は、個人事業主のように運送事業を一人で行っている場合であっても、自ら点呼を実施する必要があります。
- 総研
- 個人事業主から株式会社を立ち上げられたこともあり、法改正の前から、運行や労務の管理にいち早く取り組まれていたことが印象的でした。そういった取り組みへの意識が法律への遵守だけでなく、顧客への信用にもつながっているのだと感じました。
本日は貴重なお時間とご意見をたまわり、誠に有難うございました。

写真3:㈱山室エキスプレス 愛用の軽貨物自動車